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北陸の旅ー能登 輪島 富山

北陸の旅ー能登 輪島 富山

九月 長月
北陸の旅ー能登 輪島 富山
曇天の続く9月のはじめー思い立って北陸へ旅に出た。

まず最初の目的地は能登半島の輪島。
当代きっての“人気漆作家” 赤木明登さんの工房を訪ねる。
赤木工房のHPには 「赤木明登の携帯番号にいつもお電話を頂いている方へ。輪島の工房および自宅は携帯圏外です。ゆえに輪島にいる間は不通なのです。ご了承ください。」
一文だけが、掲載されている。
奥さんの智子さんも、生活道具展を開けば大盛況の“主婦のカリスマ”。
智子さんに工房を案内してもらい、現代では珍しくなった徒弟制度を目の当たりにした。
次の目的地は赤木工房から車で10分強ほど離れた門前方面の山中にあるオーベルジュ。
赤木さんが古民家をリノベしたゲストハウスを“人生の旅人がようやく辿り着いた森の中の仮住まい”と表現するオーベルジュ。
現在はプレオープンなので一日一組だけの予約がとれてラッキー。
宿に着くと料理を担当する北崎さんの運転で能登半島の外洋に沈む夕陽ツアーに出かける。
山道を下り、墨を流したような雲空を眺めながら千代海岸に出ると雲の隙間から鮮やかな朱の光が滲みだし、みるみるうちに眼前に極楽の文様が拡がった。
宿で供される料理は自遊人グループ「里山十帖」全店の総料理長を務められた北崎裕さんの江戸時代末期以前の料理。
砂糖と醤油は使用せず、甘味はどぶろくなどを使い、旨味は塩で引き出すという哲学の料理に引き込まれます。
料理が終わりかけたころ、なんと赤木ご夫妻が登場!
盃を重ねながら、夜が耽けてー そして圧巻は漆塗りの浴槽があるバスルーム。
床にも漆を引き、足裏からも柔らかな質感が伝わってくる漆の奥深さ。
微かに虫の音を聞きながら、程よい湯かげんの漆風呂に浸かりながら極上の一日に幕がおりました。
翌日は早朝、富山 利賀村に向かって出立ー(つづく)